登山者のためのサプリメント

           こんな時にお役にたちます。

                         ユーマックス 代表取締役  湯谷 睦

 

最近、「サプリメント」という言葉を多く耳にするようになりました。「サプリメント」とは英語で「補完する」という意味です。サプリメントは食生活で不足しがちな栄養素や特別な運動で失われがちな栄養素を補うためのものです。ビタミン、ミネラル、アミノ酸など、特定の栄養素を成分とした栄養補助食品です。薬と大きく違う点は、薬はもともと体内に存在しない化学物質であり、生理学的にみると異物です。これに対し、サプリメントは本来からだの中に存在する物質なのです。従って、サプリメントは食品と同じであり、副作用が極めて少ないといわれています。
今、「登山の運動生理学」を基に開発された「登山者のためのサプリメント」が大変注目されています。これらのサプリメントは、登山においてどのように活用されているのでしょうか?
ここでは、登山で最も生じやすいと言われている身体トラブル、「筋肉疲労」「膝痛」「呼吸の乱れ」に効果的なサプリメントをご紹介してみたいと思います。

「アミノ酸」
筋肉疲労の軽減やスムーズに筋線維を修復したい方に。
登山中に筋肉は酷使されます。筋肉は元来、ごく細い筋線維でできており、強い運動を繰り返すと、この筋線維が何千本と切れてしまいます。しかし、私たちの体には切れた筋線維を数時間後に修復させるというメカニズムがあります。この時、筋肉の原材料であるアミノ酸が十分に行き届いていれば、筋線維は切られる前の約20%アップの強さでつながってくれます。こうしてつながった筋線維はその後切れにくくなり、強い運動をすると今度は他の筋線維が切れ・・・と、その繰り返しになり、筋肉全体が強くなっていくわけです。しかし、体内に筋肉の原材料であるアミノ酸が不足していると、筋肉が作られないばかりか、筋肉痛の原因になってしまいます。つまり、筋線維の修復時に必要な原料をいかにタイミングよく筋肉に届けるかが重要なポイントになります。この筋線維修復に重要な役割を果たすのが、グリシン、チロシン、アルギニンなどの「筋線維修復アミノ酸」と呼ばれるアミノ酸です。

「グルコサミン」
膝関節の働きをスムーズにし、膝の痛みを和らげたい方に。
登山の下りでは登りの2倍、つまり体重の2倍もの力が着地した瞬間に一気にかかってしまいます。ザックを背負っていれば当然、さらに大きな衝撃がかかることになります。登山における身体トラブルの中で、膝関節痛は筋肉痛と並んで上位を占めています。グルコサミンは軟骨成分や関節液の原料となり、また膝関節の働きをスムーズにさせるといわれています。アミノ糖といわれる物質の一種で、主にエビ、カニの殻からつくられます。若い時は食物から体内で十分にグルコサミンを生成することができるのですが、加齢とともに、その生成能力が低下してしまいます。グルコサミンは登山の時に摂取するだけでも膝関節痛が起こりにくくなるといわれています。しかし、ふだんから膝が気になるという方や、膝関節を根本的に体内から改善したいという方は毎日グルコサミンを摂取されると良いでしょう。

「ホーソンベリー」
登りの時や高山で呼吸が気になる方に。
登りは自分の身体を上に持ち上げていくので、大きな位置エネルギーが必要になります。そして、そのエネルギーを生み出すためにたくさんの酸素が必要になり、肺や心臓に大きな負担がかかるようになります。ホーソンは日本名で「セイヨウサンザシ」といわれ、ハーブの一種です。血管を丈夫にするために必要な「バイオフラボノイド」という成分が含まれています。欧米では古くから心肺機能を強化するハーブとして利用されてきました。ホーソンベリーを補給することで、心臓へ供給される血液と酸素の量を増加させ、心臓への負担を軽減することができるといわれています。また、ホーソンベリーは酸素量が低下する高所や高山病対策としても利用されています。

 

                            

 

 

   ホームページ