サプリメントの先進国、アメリカでは

                            厚生労働省所管 輸入食品衛生管理者    

                            ユーマックス 代表取締役       湯谷 睦

 

 

サプリメントの先進国、アメリカでは


アメリカではビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸等のサプリメントがかなり、ポピュラーなものになっています。例えば、ロスアンゼルス市内のドラッグストアーを訪れてみると、ほとんどの店にサプリメントのコーナーが設けられ、カテゴリー別に陳列されています。薬という感覚ではなく、普段自分たちの不足しがちな栄養素をこのサプリメントから補うという考えです。アメリカ人は日本と違って、自分の健康は自分で守るという思想があります。日本のように健康保険制度が充実しておらず、病気にかかると、莫大な医療費がかかるという背景もあるかも知れませんが、いずれにせよ、食生活のバランスに気を使っている人が多いようです。ビタミン剤も薬品ではなく食品に分類されています。カラフルなタブレットやカプセルなどさまざまな種類の商品が売られています。最近は自然食品から抽出し、添加物、着色料を一切使用していない商品も増えてきました。多くのアメリカ人が人工の添加物、着色料に拒否反応を示し出しているからでしょう。アメリカのサプリメントは日本のものに比べて、1錠あたりが大きく、含まれる栄養素も量も多いようです。価格もリーズナブルで、食品感覚で毎日、摂っている人が多いようです。

アメリカで市民権を得たサプリメント


アメリカでサプリメントが市民権を得るきっかけになったのが、1977年に発表されたマクガバンレポートです。ここで、注目されたのは、同レポートがガン、心臓病、脳卒中などアメリカで死因のトップになっている病気は現代の間違った食生活が原因であると明言した点です。さらに同レポートでは“間違った食生活を改めることでこれらの病気を予防する以外に健康になる方法がない”と結論を出しています。そして、“現代の医学は薬や手術といったことだけに偏りすぎた、栄養をおざなりにした医学であった”と問題を提起しました。つまり、このレポートによって“何を食べるか”という食生活の質が健康を左右するという認識を国民に与えたのです。さらにその後、健康栄養補助食品に関する画期的な法律“栄養補助食品健康教育法”が制定されました。これにより、サプリメントはアメリカで正式な市民権を得たばかりか、サプリメントの機能が一般の人にもわかりやすくなり、安心して利用出来るようになったのです。

アメリカでは食品全てに成分表示がされています。


アメリカではFDAの強い指示のもと、全ての食品にたいして、カロリーの表示ならびにその量が平均的に一日の必要摂取量の何パーセントにあたるかの表示を義務ずけています。また成分表示、添加物についても細かく表示するよう求めています。情報開示を徹底し、あとは消費者の判断に委ねるという考え方のようです。例えば、アメリカで売られている日本から輸入のせんべいも同じです。袋の裏側には驚くほど詳しい成分表示と1日に必要な量が細かく書かれています。従って、“もうこれ以上食べると、一日分の塩分をオーバーしていまうなぁ”と、誰でもわかるようになっています。日本での表示方法に比べかなり消費者のことを考えた表示であると思われます。しかし、このような表示方法が行われるに至ったのは、安全性を求める消費者の運動が高まり、これが結局、行政を動かしたといわれています。


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