今話題のアミノ酸について

                                  厚生労働省所管 輸入食品衛生管理者    

                                  ユーマックス 代表取締役       湯谷 睦

 

アミノ酸がたんぱく質の原料です。


私達の身体の約60%は水分で、残りの約半分はたん白質でできています。そのたん白質を構成しているものがアミノ酸です。私達にとって大切な筋肉、骨、腱、靭帯などは約20種類のアミノ酸でつくられています。その中で、体内で合成できないアミノ酸を“必須アミノ酸”と呼んでいます。バリン、スレオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、リジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、ヒスチジンの9種類です。

 

運動をすると?


筋肉はごく細い筋繊維の束でできており、運動をし続けると、この筋繊維は数百本から数千本と切れてしまします。しかし、私達の身体には修復作用があり、切れた筋繊維を数時間後にもとに戻すメカニズムが働きます。この時、筋繊維の原料であるアミノ酸が十分に体内に行き届いていれば、筋繊維を修復するとともに前よりも強い筋繊維をつくりだします。この時、逆に十分なアミノ酸が不足していると、筋繊維が修復されないばかりか、赤血球が使われる為、鉄分が不足し、貧血の要因ともなります。つまり、筋繊維の修復のために、いかに必要な原材料アミノ酸を筋肉に届けるかが重要なポイントとなります。

 

たん白質とアミノ酸の違い


たん白質はたくさんのアミノ酸が集まってでできています。たん白質が摂取されると身体の中でアミノ酸に分解され、吸収されます。つまり、実際に筋肉が作られるときに使われるのはたん白質ではなく、アミノ酸です。たん白質は胃や小腸などで分解されます。たん白質は高分子化合物であり、消化の過程で単体の分子であるアミノ酸に分解されます。非常に大きな分子量のたん白質をたった1個のアミノ酸に分解していくわけで、消化吸収までに3〜4時間は要します。しかし、もとからアミノ酸というかたちになっているものをとれば、消化吸収までに30分かからないといわれています。

 

どのようにアミノ酸をとればよいのでしょうか?


まずは、食事からとることが基本です。しかし、長時間におよぶ登山や運動で生じた筋肉疲労や筋繊維の回復にはこの食事だけでは不十分なことが多いようでうす。体内に吸収されるのに、3〜4時間かかってしまうからです。その場合、直接アミノ酸として補給する方法があります。タブレット等になっているアミノ酸を直接とることにより、すばやく補給することができます。動の直前、直後そして就寝前にアミノ酸をとることが筋肉ケアのための秘訣です。


そして、ふだんからアミノ酸を多く含んだ食品も積極的に食べましょう!


食品に含まれる必須アミノ酸をバランスよく含んだ、いわゆる“アミノ酸スコア”100の食品は次の通りです。

 

牛肉(サーロイン)、鶏肉(もも、胸、ひき肉)、羊肉(ロース)、レバー(牛、鳥、豚)、ベーコン、卵、牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ、大豆、納豆

 

上記の食品とともに、緑黄野菜もしっかり摂ることが大切です。

特に、肉類は良質なたんぱく質源ですが、必要以上に脂肪を摂取してしまいがちです。バランスのとれた食生活を心がけてください。

 

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