いざという時に救急処置が役に立ちます

                               日本赤十字社救急員、川崎体育救護クラブ会員   

                                ユーマックス 代表取締役       湯谷 睦

 

いざという時に救急処置が役に立ちます。


スポーツ中にけがをしたり、体調が悪くなったという経験を皆さん大なり小なり、お持ちではないでしょうか。小さなけがや軽い病気は持参の薬等で簡単に処置出来ますが、大きな事故や急性の病気が生じた時はたいへん困ってしまいます。そんな時に救急法を知っている人がいたら大助かりです。けがや急病で倒れた時にいかに早く処置するかで、その人の生死や、苦痛の程度また治療を受けた後の回復期間に大きな違いを与えます呼吸停止後、3〜4分で心臓が停止します。この3〜4分が勝負所といわれています。そして、心臓が泊まると秒単位で脳機能が破壊されていきます。いかに、早期の適正な処置が大切であるかがわかります。救急処置というのは医師が行う場合はまず少なく、医療行為をしたことのない人がやらなければならないのが普通です。スポーツをする人は最低限の救急法の知識を習得するとともに、出来たら、救急処置の講習会等にも参加し、いざというときに備えておかれることをお薦めします

 

救急法とは?


救急法とはけがや病気をこれ以上悪化させないための応急手当です。正確にいいますと、病気やけがや災害から自分自身を守り、けが人や急病人(傷病者)を正しく援助して、医師または他の救助者に渡すまでの応急の手当のことです。傷病者に対して直接、応急処置が出来なくても、傷病者を元気付けたり、協力者を求めたり、医師、救急隊への連絡等も立派な応急処置のひとつです。

 

手当ての基本があります。


救急法実施の上での手当の基本は次の通りです。


(1) 落ち着いて処置にあたること。
(2) 直ちに処置をしないと命にかかわるもの(呼吸停止、大出血、服毒等)から行う。
(3) 傷病者をよく観察し、話しかけ、直接触れ、直ちに手当てが必要かどうか見極める。
(4) 早く医師と連絡の連絡を行う。
(5) 傷病者を楽な体位にし、細心の注意を払う。
(6) 傷病者へを力付け、安心をさせる。
(7) 本人の体温を保ち、寒がらせないようにする。
(8) 傷病者には原則として飲食物を与えない。アルコールは絶対厳禁。
(9) 傍観者の整理をするとともに出来るだけ傷病者から遠ざける。
(10)傷病者に対する手当ての内容や症状に関することを記録する。
(11)傷病者だけでなく救助者自身も危険にさらされないよう二重事故の防止に努める。
(12)一度に多数の傷病者が発生した時は緊急性の高い傷病者の手当てを優先する。

 

いざ傷病者を前にすると、すっかりパニックになってしまう場合が多々あるようです。出来るだけ、各種団体で開催している応急処置の講習会に参加し、実践に備えておかれるとよいでしょう。救急法を知っているのと知らないのでは、傷病者を助ける上で大違いだからです。また、スポーツの遠征をする時や、山に登る時は緊急時に備えて、家族の連絡先、かかりつけの医師、病院などの電話番号、そして持病のある人はその旨を書いたメモなどを用意しておくとよいでしょう。

 

 

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