膝関節痛のケアがとても大切です

                               日本赤十字社救急員、川崎体育救護クラブ会員   

                                ユーマックス 代表取締役       湯谷 睦

 

膝が痛くなるのはなぜでしょうか?


膝というのは、下肢の2本の骨がちょうつがいのようになっていて、2本お骨を結び付けている靭帯と筋肉が微妙なバランスをとっているところです。このバランスが崩れてくると痛みが起こります。膝や足首の関節には靭帯、筋肉のほかに骨と骨の滑りをよくする軟骨がありますが、この軟骨が長年の酷使や同じ動作の繰り返しで磨り減って、骨と骨が直接ぶつかりあうようになって、痛みが起こります。また関節組織の機能に必要な成分であるグルコサミンなどの軟骨成分が20歳をピークに体内で減少していくことも、その一因であると考えられています。

 

中高年に多いのが変形性膝関節症です。


膝の病気やけがは、年齢によっても異なりますが、中高年になって最も多いのが変形性膝関節症であるといわれています。この特徴は関節の内側を押すと痛みがあり、動き始めに痛むことです。山に登る時に、歩き初めは脚が痛いけれども、そのうち何ともなくなるというのは典型的なこの関節症の症状です。歩くことで、血液の循環がよくなり、膝の痛みが軽減したためと考えられています。この症状は靭帯が断裂して関節が不安定な時や、異常なストレスがかった時に生じやすいといわれています。たとえば、重いものを背負って長時間膝に負担をかけた時などです。体重が増せば増すほど、膝にかかる負担はそれ以上に増すといわれています。さらに進むと関節水腫といって、液がたまり腫れてきます。また、骨と骨が擦れ合うギシギシ、ゴリゴリという音が出るようになり、膝の内側が磨り減ってくるので、いわゆる、ガニ股(O脚)になってきます。

 

どうしたら膝関節痛の予防ができるでしょうか?


膝痛の原因は関節の軟骨が磨り減ったためで、痛みを防ぐには関節を守るように膝周辺の筋力をつけるとよいといわれています。特に女性に膝痛が多いのは、男性に比べ筋力が弱いことがその原因のひとつと考えられています。筋力が弱いと関節が安定せず、グラグラした状態が続き、その状態で軟骨が磨り減り、関節に隙間ができると、いっそう不安定になって痛みがひどくなってきます。現在、痛みがない人でもO脚気味であったり、肥満の傾向がある場合は今から意識して膝周辺の筋肉を鍛えておくとよいでしょう。報告によると、わずか3週間のトレーニングで10〜20%も筋力がアップし、痛みも改善されたとのことです。また、トレーニングだけではなく、歩き方に注意したり、ウェイトコントロールを心がけることも大切です。また、ふだんから、コラーゲンの多い食品を多くとるとともに、関節組織、軟骨成分に必要不可欠グルコサミン等の栄養成分を補給しておくとよいとされています。

 

 

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